7月例会

以下の日程で7月例会を開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしております。

日時:7月17日(土) 14時~17時
会場:神戸大学六甲台キャンパスの本館会議室(本館2F)です。
交通:阪急電車「六甲」駅、JR「六甲道」駅、阪神電車「御影」駅から、神戸市バス36系統「鶴甲団地」行き乗車、「神大正門前」下車


報告者1:松村史紀会員(大阪国際大学)
タイトル:「戦後秩序のなかの中ソ同盟(1945年)」

報告要旨

第二次大戦後、東アジアにおいて二つの柱からなる戦後秩序が構想されていた。一つが戦勝国間の平和であり、もう一つが戦勝国による敗戦国の管理であった。本稿では、1945年8月に成
立した中ソ同盟が、この戦後秩序を体現するものだったという点を考察したい。何よりもこの同盟は、条約本文において、国連の集団安全保障の地域的取極を構成するものとして位置づけ
られている。ところが、これまでの研究では、この同盟が平等か不平等かを主に論じてきた。そこでは、同盟の形成過程をたどるとき、両国が中国周辺地域の利権をどのように配分したのか、国府がどのような交換条件で利権配分に応じたのかに焦点が当てられてきた。控えめにいっても、集団安全保障としての同盟の性格を十分に考察してきたとはいいがたい。本稿では、中ソ両政府の公文書、日記などを利用して、同盟条約の成立過程を次のように考察する。ソ連は戦後秩序のなかの第二の柱―
戦後日本の復活を抑制する枠組み―を主軸において条約交渉にのぞんだのに対し、国府は第一の柱―戦勝国の大国間秩序を成り立たせるための中国の国家統一―を核において交渉をすすめた。両者の対照的な戦略が、あやうい均衡点にたどりついたとき、中ソ同盟がようやく成立した。

報告者2:坂井田夕起子会員(大阪大学法学研究科特任研究員)
タイトル:「文化冷戦と中国仏教:世界仏教徒会議における“中国仏教代表”をめぐる攻防」

中国共産党は中華人民共和国(以下、中国)樹立後、国内で徐々に宗教に圧力を加えていったが、一方で対外的関係においては、チベット問題が起きるまで、仏教外交を頻繁に試みていた。仏教は国際交流や学術交流などの国家レベルの外交において、漢民族の歴史や文化の「担い手」として重要な役割を期待され、他宗教に比べて国家からの「保護」をより多く受けた。このような事実はすでに足羽與志子【2005】によって指摘されているものの、具体的な分析は存在していなかった。近年、陳金
竜【2006】の研究によって仏教交流も中国外交の一環として位置づけられるようになったが、「仏教交流があった」ことをそのまま「中国外交への貢献」に結び付けている点など、依然初歩的な研究段階にある。本報告は、中国外交と仏教について、より立ち入った実証的な研究を試みるものである。分析対象とするのは、1950年以降現在に至るまで、およそ二年に一度、アジアの仏教諸国において持ちまわりで開催されてきた世界仏教徒会議である。この会議では主催国が権限を持つため、「中国仏教代表」の座を中国と中華民国(台湾)が争い、仏教外交を繰り広げたことが確認できている。この「中国仏教代表」の争いを分析することにより、冷戦時期の仏教交流を、単純な宗教交流や民間交流の枠組みを超えた、文化冷戦(Cultural ColdWar)の中に位置付けたいと考えている。
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by yukiko_sakaida | 2010-07-01 06:34 | 月例会・総会案内
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