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.中国現代史研究会2012年総会・シンポジウムのご案内

先日お知らせしました、2012年総会・シンポジウムについて、再度ご案内いたします。出席をお考えの方でまだご連絡をいただいていない場合は、2月10日(金)までに k.modernchina[a]gmail.com 宛にご送付くださいますよう、お願いいたします。

【プログラム】
日時: 20 12年 3月 17 日( 土)~ 18 日( 日)
場所: ホテルクライトン新大阪(〒532-0011 大阪市淀川区西中島2-13-32 )

3月17日〈土〉
受付開始12:45 - 受付開始
総会13:15 - 13:45 
シンポジウム 14:00 ‐18:00
懇親会  18:15-20:00

【シンポジウム テーマ】「中華世界における「憲政/民主」の歴史と現在」
【趣旨】
 中国の政治経済体制について、東アジアのいわゆる「開発体制」国家がそうであったように、一定の経済発展を遂げた後になんらかの民主化の動きが生じる、という予想が、ある時点までは比較的優勢であった。しかし、中国が世界第二位の経済大国を占めるほどの順調な経済発展を遂げた現時点においても、そのような「民主化」への動きは実現する兆しさえ見えてこない。昨今の「零八憲章」「ジャスミン革命」の後の民主化運動や人権弁護士への弾圧、といった情勢を見ても、そのことは明らかである。
 ここで、典型的な「開発体制」として理解されることの多い、戦後の台湾に目を向けてみよう。戒厳令下の台湾を、独裁的な政治体制と比較的自由な市場経済が共存する権威主義体制として理解するなら、大陸における国民党政権の「訓政」(=「党国体制」)が、そこにある程度ストレートに引き継がれた、という理解も可能であろう。一方で、第二次世界大戦後の短い期間、「憲政」の名のもとに、より民主的な統治を実現しようという動きが国民党内部から生まれてきたことを忘れてはならないであろう。また、その後の台湾の民主化が、国民党主導の下、中華民国憲法体制の枠組みの中で行われたことにも留意すべきであろう。
 このような、大陸から台湾に受け継がれた中華民国という政治体制における、「訓政」から「憲政」への、必ずしも単線的ではない移行過程について改めて問い直すことは、今後の中華人民共和国における民主化の可能性や、「党国体制」のゆくえなどを考える手がかりにもなるのではないだろうか。
 今回のシンポジウムでは、昨年の「中国における『議会』の可能性」の問題意識を引き継ぐ形で、中国大陸および台湾における、統治のあり方をめぐる連続性と断絶性に着目し、中華世界における「憲政」「民主」の可能性について、改めて検討を行いたい。

<シンポジウム タイムテーブル>
14:00-14:05 シンポジウム趣旨説明
14:05-14:45 第1報告:金子 肇 会員(下関市立大学)
    「近代中国における『民主』の制度化と『憲政』」
14:45-15:25 第2報告:松田康博 氏(東京大学)
    「台湾における『憲政』の展開過程―独裁か民主か?中華民国か台湾か?―(仮題)」
15:25-16:05 第3報告:石塚 迅 氏(山梨大学)
    「行き詰まる憲政主張(仮題)」

16:05-16:20 休憩
16:20-16:50 コメント:中村元哉 会員(津田塾大学) 若松大祐 会員(京都大学研修員)
16:50-18:00 質疑応答・討論
司会 三品英憲 会員(和歌山大学)

3月18日(日)
9:00-11:50 自由論題Ⅰ
第1報告:呂 順長 会員(四天王寺大学)
「『佳人奇遇』の「梁啓超訳」説を覆す新証拠」
第2報告:濱島敦博 会員(吉備国際大学)
「民国期商会事公断処制度の機能と効果~上海総を中心して(仮題)

13:00-15:50 自由論題 Ⅱ
第3報告:仁欽(リンチン)会員(愛知大学国際中国研究センター客員研究員)
「少数民族地域における政治運動の展開とイデオロギー的統合の強化― 内モンゴルにおける反右派闘争、「四清運動」
第4報告:水谷尚子 会員(中央大学非常勤講師)
「『新疆バレン郷事件』考」
by yukiko_sakaida | 2012-01-26 18:37 | 月例会・総会案内
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