「言論の自由」をどう考えるか―中国と日本の法律専門家の対話―

反体制的な言論活動に従事したとされる者を不法に長期間拘束する労働教養制度の廃止に尽力し、米・フォーリンポリシーの「世界を率いる100人の思想家」にも選ばれた中国の弁護士・浦志強弁護士が2014年5月、友人十数名と、天安門事件から25年となる6月4日を前に、事件の記憶を風化させまいと、北京市内の住宅で内輪の勉強会を開き、その翌日、騒動を挑発したとして警察に連行されました。公安及び検察当局は現在、国家分裂煽動罪などを加えた容疑で起訴するかを審査しているということです。情報筋によると、浦弁護士がインターネット上で発表した評論なども、問題視されている可能性があるということです。
 浦弁護士は一貫して言論の自由を主張してきましたが、それは、批判的な声があってこそ、健全で、平和な社会をつくることができると考えていたからです。浦弁護士はこう述べています「より高い戦略と志で、歴史と真実に向き合うのです。かつての多くの天災や人災から教訓を得なければなりません」
 日本も、戦前から戦争中にかけて、言論を厳しく統制し、言論人を迫害した過去の歴史を背負っています。さらに、「言論の自由」は所与のものではなく、民主国家になった今も、国民が積極的に関わる中で実現させなければなりません。本セミナーでは、中国と日本の法律専門家の対話を通して、私たちが守るべき「言論の自由」とは何かを考えたいと思います。

日時:2015年1月14日(水)17:00-19:30
場所:東京大学 KOMCEE EAST K212教室


スピーカーのプロフィール
王建勛先生
 王建勛准教授は、蘭州大学(法学)を卒業後、北京大学で修士号(法学)を取得し、その後、渡米し、インディアナ大学で政治学の博士号を取得しました。中国に帰国後、2006年から中国政法大学の准教授を務めています。法制理論、比較法、憲法、欧米の憲政史に関する研究を進めておられ、近年の業績に、論文 "The Road to Democracy in China: A Tocquevillian Analysis,"(中国の民主への道:トクヴィル的分析) in Conversations with Tocqueville: The Global Democratic Revolution in the 21st Century, ed. Aurelian Craiutu and Sheldon Gellar, 271-294. Lanham, MD: Lexington Books、「連邦主義とアメリカの憲政」『古典的思想と現代的政体:欧米の法・政治思想に関する講義』(法律出版社、2008年)などがあります。その他、雑誌『財経』やフェニックステレビのウェブサイト『鳳凰網』などに定期的にコラムを執筆し、積極的に社会や政治の在り方について問題提起を行っています。

佐藤博史先生
 冤罪が確定した足利事件など、数々の社会的影響力のある刑事弁護を担当してきた著名弁護士。第二次世界大戦中、雑誌『改造』に掲載された論文がきっかけとなり、編集者や新聞記者ら約60名が逮捕され、約30人が有罪に、4人が獄死した横浜事件の元被告人及びその家族・支援者らによる再審請求裁判でも、主任弁護人を務めました。
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by yukiko_sakaida | 2015-01-08 22:20 | 学術交流
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