7月例会のお知らせ



日時:7月18日(土)14:00~17:00
会場:神戸学院大学ポートアイランドキャンパス
A号館第一中会議室

第一報告: 島田美和会員(日本学術振興会特別研究員)
「戦後中国知識人の内モンゴル自治論ー省内蒙旗自治論争を中心にー」

戦後、国民党政権下において新しい国家構想が議論され、そこでは内モンゴルにおける行政機構の再編が戦後自治構想の一環として取り上げられた。その際、民国内におけるモンゴル族の自治形態をめぐり二つの自治案が提出された。一つは、省の単位を超えたモンゴル族による「統一蒙政会」の樹立であり、もう一つは省単位でモンゴル族の自治を行う「省内自治」制の実施、である。本報告では、この「省内自治」制に着目し、これを支持する戦前・戦中から辺疆研究に従事してきた漢族知識人や、モンゴル族を統治する省政府の内モンゴル自治論について検討する。加えて、彼らの民族観と「省内自治」制の論理との関係性をみいだすことにより、1930,40年代の国民党政権による少数民族地域への省制実施の意味とその限界を問いたい。


第二報告: 焦従勉氏(神戸学院大学)「日中通商交渉の現状と課題」

本報告は近年活発になっている日中貿易摩擦について、その政治的・経済的・制度的要因及び貿易交渉の促進要素と阻害要素を明らかにした上で、両国間の貿易拡大を可能にする政策と貿易摩擦を最小限に留める政策のありようを考察するものである。2000年以降通商交渉上の争点として両国の間で厳しい非難の応酬が見られた四つの事例研究を通して、日中通商交渉の現状と課題を明らかにすることを目的とする。
ミクロ・レベルの貿易摩擦においては両国政府がお互いに譲らず、平行線になっていた貿易交渉を合意に導いたのは民間団体主導の官民協議(官民対話)だった。貿易摩擦問題の発生防止及び発生後の早期解決交渉過程において、民間セクターは大きな役割を果した。対照的に、マクロ・レベルの経済交渉過程に関して、民間団体は主要なアクターとして現れず、政治的に対立している日中両国の交渉は難航化しやすいという特徴が見られる。人民元切り上げ問題に関しては、中国が日米欧など先進国と激しく対立した原因は国際圧力と中国国内政治・制度の相互作用の結果であった。一方、FTA戦略の比較研究では、東アジア地域における日本と中国のライバル関係を見て取ることも可能である。最後に、両国間の安定的な貿易成長を促進するための政策について考察する。
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by yukiko_sakaida | 2009-06-22 10:14 | 月例会・総会案内
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