3月22・23日に総会・研究集会が開催されました。シンポジウムの概要は下記の通りです。 シンポジウム「組織としての中国共産党」 結党から 100 年という節目を超えた中国共産党は、強固な組織力(「領導」による上位下達と、それを実現しうるために構築された地方の末端にまで及ぶ情報網)を基礎として、中華人民共和国建国以降、政治権力を長きにわたって掌握し続けている。一方で、中共には強烈な個性を持った政治リーダーが時に政治と社会を激変させ、組織それ自体を揺るがすほどの力をもったことも事実である。現代中国の時代区分をする際、政治リーダーごとに分ける呼称(「毛沢東時代」「鄧小平時代」など)が存在することは、政治リーダーの存在が中国において重要視されていることの証左であると言えよう。しかし、ひとつの組織が 100 年という長い期間を生き抜き、その大半の期間において政治権力を掌握してきたことを、個人或いはごく限られた集団に集中されたリーダーシップのみで説明することは、やはり不十分であろう。「毛沢東による独裁」(名前を現在の政治リーダーに当てはめることもできよう)という理解も可能であるが、中共という組織全体がどのように政治権力を獲得・維持し、運用してきたかを改めて振り返ることは、過去から現在までの中共を理解する一助となるはずである。 近年、組織としての中共とその政治過程に着目した大きな研究成果がいくつか出されていることに注目したい。史料的制約が多くある中で、中共内部の情報処理の過程、派閥構成を緻密に分析したものや、家族主義が色濃く残る中国農村における「基層幹部」と党の力関係を看破したものなどは、研究の重点を組織に置く、あるいは組織の存在を意識することで中国政治をより詳細に分析することに成功していると言えよう。 本シンポジウムでは、組織における情報、集団、基層社会にとっての党組織という視点から、組織としての中国共産党に対する複合的な理解を目指すことを目的に、以下の研究者に登壇をお願いした。 趣旨説明 和田英男会員(近畿大学・非常勤講師) 第 1 報告 周俊会員(同志社大学) 「中国共産党の夫人政治:組織の舞台裏で暗躍する女性たち」 第 2 報告 李昊会員(東京大学) 「トップレベルデザイン―習近平体制における制度的権力集中過程」 第 3 報告 田原史起氏(東京大学) 「『富人治村』再考:基層ガバナンスと農村ビジネスの融合」 コメント 谷川真一会員(神戸大学) 滝田豪会員(京都産業大学)
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by yukiko_sakaida
| 2025-05-11 18:31
| 月例会・総会案内
このたび、中国現代史研究会東海例会では、以下の内容で研究会を行うようになりました。 ふるってご参加いただければ、と存じます。 日 時:5月17日(土)13時45分~16時30分( 場 所:ブライトン会議室407号室 (ホームページ)URL: https://www. (オンライン) 未定 報告者:郭琳慧(広西大学) タイトル:「台湾総督府による華南籍民教育― 報告者:森久男(愛知大学名誉教授) タイトル:「満洲事変と満洲青年連盟」 懇親会は新栄~矢場町の「延辺館」を予定しています。
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by yukiko_sakaida
| 2025-05-01 16:15
中国現代史研究会の1月例会は、以下の内容で開催されることになりました。 万障繰り合わせの上、よろしく参加していただければ、と存じます。 場 所:名古屋大学文学部本館127講義室( (地図) https://goo.gl/maps/ (Teams) https://teams.microsoft.com/l/ 会議 ID: 444 322 572 828 パスコード: Lj6BP6Tc 報告者: 蔡長廷氏(名古屋大学大学院人文学研究科博士後期課程) 「台湾総督府文書中に見える紳士の調書と履歴書について―『 細井和彦氏(鈴鹿大学) 「中国国民党による将校団の組織化と将校団精神の創出の試み― その他: 対面で参加される方は直接会場にお越しください。 #
by yukiko_sakaida
| 2025-01-14 21:02
| 東海地区例会案内
このたび、孫中山記念会、孫文研究会による国際学術シンポジウムを開催することになりました。
日時 2024年12月1日(日) 9:00〜17:30 会場 神戸駅研修センター SKホテル神戸駅前 207ホール 詳細(関連イベントを含む)は下記ウェブサイトをご参照ください。 #
by yukiko_sakaida
| 2024-10-22 20:30
| 学術交流
11月10日に対面とZOOMのハイブリッド形式で開催される秋季研究集会(午前:自由論題報告、午後:合同書評会)の詳細を以下にご案内いたします。合同書評会の趣旨説明については以下の通りです。 合同書評会開催の趣旨: このたび、台湾の研究者呉介民氏(中央研究院社会学研究所研究員、国立清華大学社会学研究所併任教授)による『尋租中國』の日本語版『同盟から決別へ――グローバル資本主義下の台湾企業と中国』(日野みどり訳、2024、三元社)が刊行されました。同書は、改革開放期中国に展開した台商(台湾の企業・企業人)が広東ひいては中国の経済成長に果たした役割を射程に、現地調査で得た実証的データをグローバル価値連鎖理論に依拠して解読したものです。台商と在地体制・官僚の同盟関係とその終焉、資本家と国家による農民工への二重搾取、自前の価値連鎖の構築を図る中国の目論見とその制約要因などを論じたうえで、「レントシーキング開発国家中国」という重要な概念を提示しています。 中国現代史研究会では、呉介民氏が日本を訪問する機会に同氏をお招きし、日本華南学会および三元社との共催で、同書の書評会を実施するはこびとなりました。書評会では、書評報告・コメントに続き、呉介民氏にも直接議論にご参加いただく予定です。どうぞふるってご参加ください。 ・開催日時:11月10日(日) ・開催場所:谷岡学園梅田サテライトオフィス(〒530-0001 大阪府大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪タワーA 南館 16階) ・午後:『同盟から決別へ――グローバル資本主義下の台湾企業と中国』(呉介民著、日野みどり訳、三元社、2024年)合同書評会(13:30〜17:00) ※日本華南学会、三元社との共催 ※使用言語 日本語、一部中国語(通訳あり) 司会: 黄英哲会員 趣旨説明: 日野みどり会員 報告: 北波道子会員 金湛氏(愛知大学) コメント: 梶谷懐会員 リプライ: 呉介民氏(著者、中央研究院社会学研究所研究員) 午後の合同書評会については非会員の参加も対面形式のみ可能となっております。非会員の先生方におかれましては、下記のGoogleフォームから参加申請を行っていただきますよう、お願いいたします(フォームにご記入いただくのは非会員の方のみです)。申し込み締め切りは11月3日(日)です。 https://forms.gle/jbDaswncVB2yJnon6
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by yukiko_sakaida
| 2024-10-20 13:00
| 月例会・総会案内
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