世界金融危機以後、欧米および日本経済が低迷する中、中国や インドなど新興国の台頭が世界の注目を集めている。しかしこれらの 国々が世界経済において重要な役割を占めたのは、なにも近年に限ったことではない。
たとえばポメランツらの提起したGreat Divergenceの議論は、19世紀 初頭にいたるまで世界GDPの過半は中国やインドをはじめとしたアジア経済圏が作り出していたと主張し、大きな論争を巻き起こした。 これらのアジア経済圏において工業化を遂げた国々は、いずれも人口圧力を抱えた農業中心の経済から出発するという共通点を持ちながら、その工業化のパターンや、世界経済とのリンケージのあり方、あるいは比較優位を持つ産業などの点で、大きく異なる歩みを見せてきた。 このような現在に至るまでの中国とインド、およびその周辺国の経済発展の歩みを比較検討することは、そのまま近代以降のグローバル・ヒストリーにおける各国の発展パターンの多様性について認識することにもつながっていくはずである。 以上のような問題意識を踏まえ、本ワークショップでは、現状分析と歴史研究、東アジアと南アジアという枠組みを超えた研究者間の対話を通じて、アジアを起点としたグローバルな経済秩序の形成と進化について詳しく検討する。 日 時: 2010年12月5日(日) 14:00-18:00 場 所: 神戸大学瀧川記念学術交流会館 参加費: 無料 報告者: 大原盛樹氏(龍谷大学)「中国とインドの企業成長と市場競争-東アジアの経験との比較」 杉原薫氏(京都大学)「グローバル・ヒストリーとアジアの経済発展径路」 中村哲氏(京都大学名誉教授)「小農社会と複線的工業化」(仮題) コメンテーター: 秋田茂氏(大阪大学)
by yukiko_sakaida
| 2010-10-16 20:27
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