例会案内
下記のとお11月例会を開催いたします。 今回も、7月、9月例会に続いて岩波新書「シリーズ中国近現代史」の合評会を行います。 とりあげるのは第1巻、『清朝と近代世界 19世紀』。著者である吉澤誠一郎会員にもご参加いただき、合わせて研究報告もしていただきます。みなさま万障お繰り合わせ のうえ、是非とも参加下さいますようお願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- 日時11月19日(土) 14時~17時 会場:大阪商業大学 U-メディアセンター(図書館) 4F ネットワーク・レクチャールーム 交通、アクセス: キャンパスマップ: 前半:吉澤誠一郎著『清朝と近代世界 19世紀』合評会(14:00~15:30) 書評報告1(土居智典 長崎外国語大学) 書評報告2(岡本隆司 京都府立大学) コメント(吉澤誠一郎) 質疑応答、自由討論 後半:吉澤誠一郎会員 研究報告(15:40~17:00) 報告タイトル「スウェン・ヘディンと中国」 【要旨】 スウェーデンの探検家・地理学者であるヘディン(Sven Anders Hedin,1865-1952)は、八面六臂の活躍を見せた生涯の経歴のなかでも、中国と密接な交渉を持っていたといえる。 しかし、その詳細については、まだ多くの謎がある。そこで、本報告では、ストックホルムに保管されるヘディン関係文書の初歩的調査を踏まえて、問題の所在を確認し、今後の研究の手がかりとしたい。 ヘディンは、ベルリン大学でリヒトホーフェン(Ferdinand Freiherr von Richthofen)に学んだ。 リヒトホーフェンはいうまでもなく、中国大陸の地理学的調査で名を馳せ「絹の道」という概念を今日に残した人物である。ヘディン自身が19世紀末に行った中央アジア調査は、その地域をめぐる国際的角逐「グレート・ゲーム」の最終段階と重なる時期に行なわれている。ヘディン自身が特段に政治的使命を帯びて調査したとは言えないかもしれない。しかしロシア政府やインド政庁、そしてチベット政権がヘディンに示した態度は、緊張した政治情勢と不可分であり、ヘディンがそのことを意識していなかったはずはなかろう。 1927年には、中国・スウェーデンの共同調査による西北科学考察団の結成がなされた。 それは実質的にはヘディンの調査隊ではあったが、その結成・調査にあたっては、中国の学術界や現地政権から様々な異論が提出されていたことが注目される。また、1933年には南京国民政府から新疆に通じる道路開発について依頼を受けた。このような国民政府とのつながりは、日中戦争期のヘディンの姿勢にも大きな影響を及ぼしている。他方で彼が戦争中においても居延漢簡の研究の進展について気にしていたことから、依然として学術的な関心を強く持っていたことがわかるのである。
by yukiko_sakaida
| 2011-11-05 22:49
| 月例会・総会案内
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