日時:2月4日(土)14:00~17:00
会場:京都大学経済研究所1F会議室 報告1: 陳怡旻氏(京都大学・院) 「ポーランド年金改革からの示唆ー中国養老保険制度の今後の課題」 コメンテータ:高屋和子会員(立命館大学) (要旨)中国の養老保険制度は、95年、97年の改革により、賦課方式の社会プール部分と積立方式の個人口座部分が組み合わせた独自の公的年金制が構築された。改革は、旧制度を企業保険から社会保険への転換、また単一の保険制度から多支柱の保険制度への転換を図り、急進する少子高齢化にも対応するという狙いがあった。しかし、新制度が実施して10年近く経ったが、「個人口座の空洞化」をはじめ、多くの問題点が現れた。それらを解決すべく、中国政府は遼寧省をモデル地域として制度改革に取り組んだが、試行案の持続可能性も疑われている。そこで本報告は、ポーランドの1999年の年金改革において導入された「見なし掛金拠出建て賦課方式(NDC案)」を分析したうえで、遼寧省案と比較しながら、NDC案の中国における導入を検討する。 報告2:南誠氏 (京都大学・院) 「「中国残留日本人」をめぐる包摂と排除 ―日中両国の政策を比較して―」 (要旨)2001年末から、「中国残留日本人」の国家賠償訴訟が騒がれている。法廷の中で問題になっているのは、その歴史をめぐってである。特に日中政府の政策が問題視されている。しかし、これまでの中国残留日本人研究の中で、その歴史を取り上げるものは少ない。本報告では、その歴史的経緯、特に中華人民共和国が成立した1949年から後期集団引揚が終了する1958年までの期間に焦点をあてたい。 本報告では、報告者がこれまで調査してきた日本政府の政策を踏まえたうえで、まだ調査し始めたばかりの中国政府の政策について報告していきたい。両者の比較を通して、中国残留日本人がポストコロニアル状況下での日中両国の「国民国家」創造プロジェクトからどのようにして、包摂あるいは排除されていったのかについて考察したい。
by yukiko_sakaida
| 2006-01-28 16:29
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