日時 7月1日土曜日 2時から5時
場所 京都大学経済研究所 報告者1:丸田孝志(広島女学院大学) コメンテーター:田中仁 題目: 太行・太岳根拠地の追悼のセレモニーと土地改革期の民俗 <要旨> 中国共産党(中共)の太行・太岳根拠地においては、1944年末から民俗様式を積極的に導入した烈士追悼のセレモニーが展開される。そこにおいては、「祖宗墳墓の故郷」 の一族の祠堂での祭祀を望む農民兵士の心性に配慮した形式の村での追悼、大衆の家族意識を利用した「階級の父母兄弟姉妹」の追悼大会などが組織され、土地改革による個別家庭の復興を基礎とした儀礼が展開された。また、極左政策期において、貧雇農らは土地改革を慶祝するセレモニーや人生儀礼において、旧社会における地主と貧雇農の文化的役割を逆転させ、地位の逆転を確認していた。身分固定がなく階層間の流動性が比較的大きい中国農村社会において、上昇した貧雇農らは、地主の文化的嗜好と礼に基づく祭祀を自身の理想として再現していた。中共の追悼儀礼は、専制国家のイデオロギー統治を通じて広く大衆に共有されるようになった祭祀の要求を貧雇農層にまで実現させるものであり、中共が組織しようとした民俗は千年王国的世界観を提示する宗教結社の信仰ではなく、個別家庭や宗族の祭祀・儀礼としての、いわば礼教の側の民俗であった。 報告者2: 島田美和 〈大阪大学大学院・院〉 コメンテーター:田中剛 題目:西部内モンゴルにおける中央と地方の関係 ―1936年1月綏境蒙政会の成立を中心に― <要旨> 1936年2月、南京国民政府は、西部内モンゴルで、徳王のモンゴル族統一地方自治組織である百霊廟蒙政会を解体し、モンゴル族の自治範囲を綏遠省省内に限定した、綏遠省境内蒙古各盟旗地方自治政務委員会(略称:綏境蒙政会)を設立した。本報告では、日本の華北分離工作と内モンゴル工作が本格化する1935年9月から綏境蒙政会の設立に到る1936年2月までの、南京国民政府と晋綏系地方軍事勢力者との綏境蒙政会の設立をめぐる交渉を分析する。
by yukiko_sakaida
| 2006-06-22 17:11
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