日時:1月13日(土)14:00~17:00
会場:京都大学経済研究所1F会議室 報告1:高橋宏幸氏(京都大学・院) 「諸侯経済とビール産業の展開」 コメンテータ:辻美代会員(流通科学大学) 報告要旨: 2002年にアメリカを抜いて世界最大のビール生産国となった中国であるが、そもそもビール産業が飛躍的な発展を遂げたのは改革・開放以降、ここ20年あまりのことである。その背景には、2つの側面があると考えられる。1つは中央政府による重工業優先発展戦略から軽工業重視への産業政策の転換であり、もう1つは諸侯経済と呼ばれる地方保護主義である。結果的に、全省市区でビール生産が行われるようになったが、一時、需要をはるかに上回る813のメーカーが乱立する事態となり、近年、倒産や転業、M&A(企業の合併・買収)の動きが全国各地に拡大している。本報告では、主に諸侯経済、酒税、雇用との関わりから、ビール産業発展の経緯を分析する。 報告2:森田吉彦会員(京都大学・院) 「幕末から明治初年における中国観・日本観と対清政策論」 報告要旨 本報告では、兵学者名倉信敦と洋学者津田真道に焦点をあて、東洋と西洋、伝統と近代、中華帝国と欧米列強の間で揺れ動いた、日本人の思想像の一端を検討する。ほとんど同じ時代に、さまざまな面で対照的な人生を送ったこの2人は、それぞれ、1870年の日清国交交渉と71年の日清条約交渉で、日本側の中心的なブレインとして働いたことが知られている。それは、どのような背景からであったのだろうか。 ある意味では歴史から忘れられかけたといえる彼らの残した史料は必ずしも多くないが、その世界認識と対清政策論のありようを探りたい。 《関連する既発表論文》 森田吉彦「名倉信敦と日清『新関係』の模索 幕末維新期の華夷思想的日中提携論」『東アジア近代史』第4号(2001年) 森田吉彦「日清修好条規締結交渉における日本の意図、1870~1872年 藤村道生説へのいくつかの批判」『現代中国研究』第11号(2002年)
by yukiko_sakaida
| 2007-01-10 00:01
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