カテゴリ:月例会・総会案内( 85 )

7月例会

日時 7月1日土曜日 2時から5時

場所 京都大学経済研究所

報告者1:丸田孝志(広島女学院大学)

コメンテーター:田中仁

題目: 太行・太岳根拠地の追悼のセレモニーと土地改革期の民俗

<要旨>
中国共産党(中共)の太行・太岳根拠地においては、1944年末から民俗様式を積極的に導入した烈士追悼のセレモニーが展開される。そこにおいては、「祖宗墳墓の故郷」 の一族の祠堂での祭祀を望む農民兵士の心性に配慮した形式の村での追悼、大衆の家族意識を利用した「階級の父母兄弟姉妹」の追悼大会などが組織され、土地改革による個別家庭の復興を基礎とした儀礼が展開された。また、極左政策期において、貧雇農らは土地改革を慶祝するセレモニーや人生儀礼において、旧社会における地主と貧雇農の文化的役割を逆転させ、地位の逆転を確認していた。身分固定がなく階層間の流動性が比較的大きい中国農村社会において、上昇した貧雇農らは、地主の文化的嗜好と礼に基づく祭祀を自身の理想として再現していた。中共の追悼儀礼は、専制国家のイデオロギー統治を通じて広く大衆に共有されるようになった祭祀の要求を貧雇農層にまで実現させるものであり、中共が組織しようとした民俗は千年王国的世界観を提示する宗教結社の信仰ではなく、個別家庭や宗族の祭祀・儀礼としての、いわば礼教の側の民俗であった。


報告者2: 島田美和 〈大阪大学大学院・院〉

コメンテーター:田中剛

題目:西部内モンゴルにおける中央と地方の関係
          ―1936年1月綏境蒙政会の成立を中心に―

<要旨>
1936年2月、南京国民政府は、西部内モンゴルで、徳王のモンゴル族統一地方自治組織である百霊廟蒙政会を解体し、モンゴル族の自治範囲を綏遠省省内に限定した、綏遠省境内蒙古各盟旗地方自治政務委員会(略称:綏境蒙政会)を設立した。本報告では、日本の華北分離工作と内モンゴル工作が本格化する1935年9月から綏境蒙政会の設立に到る1936年2月までの、南京国民政府と晋綏系地方軍事勢力者との綏境蒙政会の設立をめぐる交渉を分析する。
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by yukiko_sakaida | 2006-06-22 17:11 | 月例会・総会案内

5月例会のご案内

日時:5月27日(土)14:00~17:00

会場:京都大学経済研究所1F会議室
      http://www.kyoto-u.ac.jp/access/kmap/map6r_y.htm

報告者1:河端正規(立命館大学・院)
 『青島守備軍による山東牛輸出体制の再編と対日輸出 1914-1922』

(要旨)
日本は、1914年日独戦争によりドイツ租借地膠州湾を占領、1922年山東省還付まで青島守備軍(陸軍)主導により畜牛資源(活牛・牛肉)の対日輸出が行われた。輸出には日本側の獣疫浸入防遏上の障壁はあったが、第一次世界大戦により創出された有効需要により輸出が拡大、輸出事業は守備軍の膠州湾経営に組み込まれた小商人により行われ、山東牛は日本の輸入牛肉の太宗となった。

コメンテータ:小瀬一先生(龍谷大)

報告者2:上田貴子(近畿大学)
東北アジアにおける中国人移民の変遷1860-1945
<要旨>
中国東北地域への移民、朝鮮華僑など、近年、東北アジアにおける中国人移民についての研究成果が発表されている。また、戦時下における華北から日本および「満洲国」への中国人労働者の強制連行など、戦前東北アジアにおける中国人の人口移動にはさまざまな局面があるが、これらは個別にとりあげられてきた。本報告では、これら中国人をめぐる人口移動の連関を考察する。数、送出地、仲介者、生業に注目し、華北および東北地域へのロシア・日本の関与から第二次大戦終戦にいたる国際情勢下での変遷とその要因を分析する。
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by yukiko_sakaida | 2006-05-08 23:43 | 月例会・総会案内

勉強会のお知らせ

来る3月27日、大津で開催される中国現代史研究会総会・シンポジウムにおいて、「近現代中国における『中央―地方』再考――『統合』と『分節化』」というテーマのもと、東京大学から3人の若手研究者を招いて報告していただくことになっております。
http://modernchina.rwx.jp/2006soukai.doc

報告者ならびに報告テーマは、次の通りです。

(1)田原史起(東京大学)
 「中国農村政治の構図─―『農民問題』をめぐる中央,地方,農村リーダー(仮題)」

(2)吉澤誠一郎(東京大学)  「南京国民政府と西北建設」

(3)平野聡(東京大学)
 「中国民族問題の近代的起源――多様性の維持と後発国型国家建設の相克(仮題)」

そのシンポジウムに向けて、今週末の2月25日(土)、「事前勉強会」の開催をすることになりました。

 時間:14:00~17:00 

 会場:京都大学経済学研究所会議室

当日の報告担当者及び参考著書・論文は次の通りです。

(1)田原史起氏の研究に関して(渡辺直土)
 ・『中国農村の権力構造 -建国初期のエリート再編』(2004年 御茶の水書房)
・「村落統治と村民自治 -伝統的権力構造からのアプローチ」
  (天児慧、菱田雅晴編『深層の中国社会』勁草書房、2000年)
・「村落自治の構造分析」(『中国研究月報』639)

(2)吉澤誠一郎氏の研究に関して(石黒亜維)
 ・「西北建設政策の始動―南京国民政府における開発の問題―」
  (『東洋文化研究所紀要 第148冊、2005年12月』)

(3)平野聡氏の研究に関して(寺阪誠記、島田美和)
 ・『清帝国とチベット問題』(名古屋大学出版会、2004年)
 ・「『公正な帝国』から『近代中華帝国』へ―清帝国の統治構造変動と民族問題」
  (『帝国への新たな視座』青木書店、2005年/『歴史学研究』776号、2003年6月)

3月のシンポジウムへの参加・不参加に関わらず、みなさまお誘い合わせのうえ、
どうぞご参加下さいますよう、よろしくお願いいたします。

                   中国現代史研究会有志一同
                     2006年2月20日
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by yukiko_sakaida | 2006-02-22 23:46 | 月例会・総会案内

■2月例会

日時:2月4日(土)14:00~17:00

会場:京都大学経済研究所1F会議室

報告1:
陳怡旻氏(京都大学・院)
「ポーランド年金改革からの示唆ー中国養老保険制度の今後の課題」
コメンテータ:高屋和子会員(立命館大学)

(要旨)中国の養老保険制度は、95年、97年の改革により、賦課方式の社会プール部分と積立方式の個人口座部分が組み合わせた独自の公的年金制が構築された。改革は、旧制度を企業保険から社会保険への転換、また単一の保険制度から多支柱の保険制度への転換を図り、急進する少子高齢化にも対応するという狙いがあった。しかし、新制度が実施して10年近く経ったが、「個人口座の空洞化」をはじめ、多くの問題点が現れた。それらを解決すべく、中国政府は遼寧省をモデル地域として制度改革に取り組んだが、試行案の持続可能性も疑われている。そこで本報告は、ポーランドの1999年の年金改革において導入された「見なし掛金拠出建て賦課方式(NDC案)」を分析したうえで、遼寧省案と比較しながら、NDC案の中国における導入を検討する。


報告2:南誠氏 (京都大学・院)
「「中国残留日本人」をめぐる包摂と排除 ―日中両国の政策を比較して―」

(要旨)2001年末から、「中国残留日本人」の国家賠償訴訟が騒がれている。法廷の中で問題になっているのは、その歴史をめぐってである。特に日中政府の政策が問題視されている。しかし、これまでの中国残留日本人研究の中で、その歴史を取り上げるものは少ない。本報告では、その歴史的経緯、特に中華人民共和国が成立した1949年から後期集団引揚が終了する1958年までの期間に焦点をあてたい。
 本報告では、報告者がこれまで調査してきた日本政府の政策を踏まえたうえで、まだ調査し始めたばかりの中国政府の政策について報告していきたい。両者の比較を通して、中国残留日本人がポストコロニアル状況下での日中両国の「国民国家」創造プロジェクトからどのようにして、包摂あるいは排除されていったのかについて考察したい。
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by yukiko_sakaida | 2006-01-28 16:29 | 月例会・総会案内

■11月例会

日時:11月19日(土)13時~17時

会場:京都大学経済研究所

報告:
書評会(執筆者をお迎えしての書評交流)
    『重慶国民政府史の研究』(東京大学出版会、2004年)
    『民国後期中国国民党政権の研究』(中央大学会)出版部、2005年)

司会: 西村成雄(大阪外国語大学)

報告者:①田中 剛 (神戸大学大学院)
     ②島田美和(大阪大学大学院)
     ③石黒亜維(大阪商業大学非常勤講師)

書評交流会趣旨:
 中華民国史研究という歴史アプローチが定着して、すでに20年が経った。そして昨年末から今年にかけて、『重慶国民政府史の研究』(2004年12月)と『民国後期中国国民党政権の研究』(2005年5月)が相次いで出版された。この2冊の論文集は、現代日本の中華民国国民政府史研究を代表する実証的かつ総合的な成果として、すでに国内外で大きな反響を呼んでいる。
 11月例会では、前者の編者である石島紀之氏(フェリス女学院大学)、久保亨氏(信州大学)、後者の編者である斎藤道彦氏(中央大学)、土田哲夫氏(中央大学)をはじめ、塩出浩和氏(城西国際大学)、中村元哉氏(日本学術振興会)、吉田豊子氏(中央大学兼任講師)ら7名の執筆者をお迎えして、中華民国国民政府史研究の現況および今後の課題について活発な討論を行いたい。また、国民政府史のみならず、中国の近現代史研究全般にかかわる問題についても、この機会にさまざまな角度から意見交換し、関東・関西の交流を深められることが期待される。
 なお今回は、2冊の取り上げる問題が多岐に及ぶため、まず報告者が全論文30篇を3つのテーマ(①「蒋介石」、②「統合と自立」、③「国際的地位」を予定)に類型化することで論点を整理する。これを軸に、2冊それぞれの内容的特徴と成果について検討しつつ、中華民国国民政府像について議論したい。

日本の中華民国史研究についての理解を深め、同時にまた、第一線でご活躍中の研究者と交流できる貴重な機会です。専門の如何を問わず、会員各位の積極的なご参加を期待します。
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by yukiko_sakaida | 2005-11-17 16:35 | 月例会・総会案内